おまけ



weza様にSSを書いてもらったのでここに貼り付けてみる。




炬燵生活300年。ついに喪y区の命も尽きようとしていた。
折れてない肋骨も尽き、身動きもままならない。
長く共に生きた戦友は、変わらず喪y区を温めてくれる。
震える瞼を開き、うっすらと微笑む。
かつての激しい戦いが走馬炬燵となって蘇る。
千の山を越え、万の大群を炬燵と共に戦った。あの輝きに満ちた日々。
「炬燵で死ぬならそれはそれで本望かも・・・(´ω`*」
炬燵と共に朽ちていく身に、不思議と安堵感を覚える。これでいいのだ、と。
――その刹那
喪y区の見開いた双眸に映ったのは、見上げるようにそびえる立つ最新式の掘り炬燵だった。
古式ゆかしいトラディッシヨナルなデザイン、椅子に座るかの如く座して浸れる安定設計。
そして何より、全身をうずめてなお余る広さ、居住性・・・
口惜しい。
はじめてそう思った。口惜しい。掘り炬燵に入らずして何が喪y区か――
「捧げるかも・・・(´ω`*」
喪y区は低く呟くと、悪魔に魂を売り渡した。
古き炬燵(とも)を捨て、この世すべてを得るが如く。